Dr.佐中の腎臓内科第1診察室日誌
江戸川病院
生活習慣病CKDセンター長
メディカルプラザ市川駅
院長

佐中 孜先生

vol.2

7月1日
晴れた日は猛暑で高温多湿で梅雨明けを思わせる、所によっては豪雨とそれによる被害は甚大。いずれにしても厳しい天候がつづく。
患者Yさんの蓄尿結果と採血結果が出た。
まず、尿量は1,000ccだという。患者Yさんは「尿はよく出ますがねぇ」と言っていたわりには1,000ccしか出でていないという。
 

「きちんと蓄尿しましたかぁ?沢山出てるとおっしゃっていたけどちょっと変じゃないですかねぇ」
患者Yさん
「はい。午後3時ぐらいに呼び出しがあって、その時には外で排尿したんですよ。その後から蓄尿は続けましたけど」
「何時から始めて何時まで蓄尿しましたか」
患者Yさん
「はい。朝7時から始めて夜の7時までです。だから12時間ということですよね」

陰の声:患者Yさんは2つの大きな誤りをしている。
1. 蓄尿は24時間が原則である。何故ならクレアチンクリアランスやNa排泄力には日内変動がある。
 出来るだけ平均化された値を得るためには24時間で評価する必要がある。
2. しかし、蓄尿時間が24時間が長すぎるという人は8時間でも12時間でも良い。
 蓄尿検査を全くしないよりは良い。表2に掲げたようなことの判断の参考位にはなるからだ。
3. それにしても、この患者さんのように、途中で溜めずに続けて、蓄尿したというのは全く意味がない。
 参考にもならない。この場合は午後3時ぐらいの呼び出しがあった時点で排尿し、
 そこで、蓄尿止めとし、それまでの時間を計算し、蓄尿検体として申告したほうが良い。この患者さんの場合は8時間蓄尿ということになる。
「蓄尿検査はやり直しです」
患者Yさん
「はい。血液検査もですか?」
「今日、明日に蓄尿検査のやり直しなら、血液検査は今日の結果で代用しましょう。
しかし、ずっと先なら蓄尿検査と血液検査は同時的でないといけません」
患者Yさん
「はい」
「もう一度、蓄尿検査のやり方(表1)と意義(表2)についての説明書を読み直してください」
患者Yさん
「わかりました。やり直します。考えてみると、毎日というわけでじゃないし、腎臓病重症化予防のためなら、1~2ヶ月に1回位はキチンと検査をするくらいあったり前ですよね。」
「次は出来るだけ早くおいでください」

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