超高齢社会における栄養士の役割
2つめは、高齢者を入院させない「予防医学」が大事だという話です。フレイル(虚弱)を起こしている高齢者は入院すると身体機能や認知機能が低下することが分かっています。この入院機能障害の要因は2つ。環境が変わることで起こるストレスや適応障害といった「リロケーションダメージ」と、筋肉が病的に減少した状態になる「医原性サルコペニア」です。高齢者は、入院中安静な状態で点滴や絶食といった食事制限が行われると、廃用症候群を起こして動けなくなってしまいます。こうなると要介護状態が悪化し、身体機能がさらに低下します。そうならないためには、病気にならない、入院させない「予防」が大事ですあり、その予防に栄養士の役割が非常に大きいと考えます。
摂食嚥下障害の評価と訓練の実際